八雲と妻のセツの話

塾長の東です。

長女が読み終わったと言うのでこの本をもらって読みました。
今放送中の連続テレビドラマ「ばけばけ」の主人公は小泉八雲の妻がモデルです。

小泉八雲の怪談は小学生の頃から読んでいたのですが
八雲は日本に帰化した外国人だった事くらいしか知りませんでした。
さらに妻のセツに関しては全く知りませんでした。

今回のドラマで二人に興味を持ったのでYoutubeも聴きました。
物語の語り部役をセツが担当したから多くの八雲の作品が作られたことをはじめて知りました。
しかし2人の没後に父親派の長男と母親派の次男の間で母親セツに対する評価が真っ向対立して
兄弟は疎遠になってしまったそうです。

こちらは節子が八雲との思い出を語った手記の朗読です。
【朗読】小泉節子「思い出の記」(小泉八雲 ラフカディオ・ハーンの思い出)

日本を愛した文豪小泉八雲の家庭人としての一面を知ることが出来ます。
妻や子供たちともとても仲が良かったことがわかります。

こちらはラフカディオ・ハーン が日本人小泉八雲になっていく生涯を詳しく紹介した動画です。
【文豪の生涯】小泉八雲|日本の美を世界に発信した稀代の紀行作家を徹底解説!

この動画を見て初めて知ったこと。
不遇な少年時代(両親との別れ、差別と貧困)。
最初の赴任地で妻と出会って結婚した日本で一番好きな場所だった松江は冬の寒さが耐えられずわずか1年しかいなかった。
加納治五郎、坪内逍遥、大隈重信との交流や関係。
東大の講師をやめた後の後任の講師は夏目漱石。
他の外国人教師と違って日本の多神教(八百万の神)への信仰を理解できた。
家族愛の強い人で当時先進国のイギリス国籍を持っていたのに家族の事を考えて日本に帰化した。
あともう少し生きていればさらならる傑作を世に出していたはず。本当に文豪でした。

余談です。八雲の後任で東大の講師になった夏目金之助(のちの夏目漱石)ですが学生からは
前任のヘルン先生(八雲)の授業の方が全然良かったと言われてヘルン先生の留任運動が起こったそうです。
中にはヘルン先生がいないなら今の学部にいる必要はないと別の学部に転部してしまった生徒もいたそうです。
イギリスから帰国したばかりで、まだ何の実績のない自分が世界的な作家の小泉八雲先生と比べられてもと漱石は嘆いています。
実際八雲の授業はとても魅力的だったそうでどの学校に行っても学生からは大好評だったそうです。
日本人以上に日本を愛した八雲とその人間性に明治の若者たちも心酔したのでしょうね。